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◆死生を考える

人生とは、日々一日が云わば死出の旅路であるように思う。
命あるものはいつか必ず死に至る。医学の進歩によって人間の生命は飛躍的に延びたが万物全てがこの自然の道理から逃れることは出来ない。
人間だけがこの自然の道理があることを知り、自らを律してこの死出の旅路への対処が出来る。
いつ命の終わりがやってくるのか誰にも判らないが、命のあるうちに「これだけはやっておきたい」とあれこれ思いを巡らす。
武道(居合道)は、人間の「死生観」を稽古の中で自然と醸成する。
剣道で防具を付け竹刀で試合をしている間は、真剣にやっているつもりでも心にどこかスキがある。打たれても死なないし、血も出ないが、しかしこれが真剣ならば勝負の結果は立ち所に命の危機に陥る。
生と死とは表裏一体 生きることが死への準備でもあるとも云える。
死を恐れることは人間の本性でもあるが、むしろ我々は死への準備・心構えのないことを恐れたほうがよい。
生命は尊い。それだけに、天に与えられた命を最大限活かさなければならない。この世に生を受け自分が何をやらなければならないのかをもう一度しっかり考え直したい。
自己を律し、他人に甘えることなく自助努力すること。この精神が欠けてはならないと思うのである。

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